2009年01月07日
コジロー! コジロー!(3)
妻はダンボールでガジローの棺をつくってあげようと決めたのだ。
「明日、火葬場にもっていくっていってたわよね」
「ああ」
「かわいい棺をつくってあげようかしら」
「犬用の棺桶なんていらないだろ、やめとけ、やめとけ」
「そういうわけにはいかないわよ」
棺桶をつくるにあたって、適当な大きさのダンボールを用意して、
レースとたくさんの花をあしらった。
「棺の大きさはこれでいいかしら。小さいかなあ。
ガジローちゃんってどのくらいの大きさだったかしら」
「さあな。ためしにコジローでも入れてみろ」
「あ、そうね」
そのとたん、気配を察したコジローが脱走した。
「待てコジロー!」
熟年夫婦が懸命に追う。
「この野郎、待て! 棺桶に入れ、コジロー!」
コジローはほどなくしてあえなく捕獲され、棺桶に入れられた。
ワンワン! ワンワン!
「こらっ、じっとしてろ、コジロー!」
「あら、ちょうどいいじゃない!」
「おお、ほんとだ!」
「フフフ、あんたのときもこの大きさに入れてあげるからね」
リアルすぎるジョークに落ち込むコジロー。
彼だって、白内障を発症しているほどの高齢犬なのに。
サイズが決まった棺は、
さっそくガジローの飼い主に届けられた。
奥さんに感謝された妻はその流れで
ガジローの火葬にも立ち会った。火葬代2万2千円也。
1か月後、親戚の集まる場で妻がその経過を
話したことから、ある論争が巻き起こった。
~ To be continued
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投稿者 Napori Takao : 07:00