2008年10月02日

リアリティのある仮名をひねり出せ(二)

 ある地方の接骨院での出来事である。
 この先生は何回か本を出している人であるが、
 会って早々に口を尖らせ、同行した編集者に文句をいった。
「前のライターさんは仮名を書いてもらうのに、
 なんだかとても現実にいないような名前をつけられて、
 困ったんだよ。それだけは気をつけてほしいんだよねえ」
「そうですか、わかりました。よくある名前をつけるようにします」
 編集者と目くばせした私は、そう答えておいた。

 このときは、こんなふうに考えたのだ。
 前任者は作りすぎた、現実味のない名前をつけてしまったのだ。
 極端にいえば『弱虫泣太郎』とか、『大酒飲太郎』みたいな感じである。
 ペンネームにはいいが、カッコよすぎて?
 リアリティがないのでダメというのもある。
 たとえば、『木村雅哉』とか『ブラッド伊藤(日系人)』
 みたいな感じである。

 つまり、「仮名だとたしかに書いているんだから、
 そういう人はいないけれど、どこかにいそうな名前」
 をつけなければならないのだ。
 面倒くさい。ほんとに面倒くさい。どうせ、仮名なのに。

 仮名の登場人物が1冊に10人程度で済むなら、
 木村や佐藤、鈴木といった全国共通の名前と
 知り合いの下の名前をくっつければいい。
 だが、これがたとえば1冊に70人も登場するとなると、
 とても思いつきで書けるものではない。
 だが、秘策はある。

                 ~ 次回へ続く
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投稿者 Napori Takao : 07:00