2008年09月29日

続・私は認めたくない女(3)

「もう、洗濯物干してきちゃったのに!
 予報じゃ曇りだったじゃん!」
「あ~このところ不意打ちみたいに降るよね~」
「部屋の中に干してくるんだった……」
「そうだね、同情するよ」
「もう1回洗わなきゃダメかなあ」
「えっ、もう1度洗うの?」
「だって臭くなるじゃん」
「そういうもの? オレは雨にやられても
 そのまま平気で干してるけど」

「私ね、いつも洗濯物をとりこんでから、
 臭いをかぐの! で、自分と相談するのよ」
「どういうこと?」
「Nさんはやらないの? 臭いをかぎながらさ、自分に聞くわけ!
 『どうする? どうする? 今日は臭う? いけてる? ダメ?
 ダメなの? いけてないの? あ、やっぱりダメ?
 もう1回洗う? そう、やっぱいけてない?
 ダメか、ダメだよね』
 って具合に自分と相談して決めるわけ!」

「それは自分と相談っていうか、
 むしろ、長いひとりごとじゃないのかな……」
「認めるか、認めないか、認めたくない私に聞くってことよ!
 長く葛藤してるときには、
『え、マジで? ここでもう1回洗っちゃう?
 洗っちゃう? 洗っちゃうの? この臭いは認められない。
 認められない? 認められないか。
 そうかあ、洗っちゃう? そうだよね、わかった』
 みたいなセリフをひとりでずっとつぶやいてるの」

 ちょっと怖いけれど、A子ちゃんは几帳面なだけである。
 洗濯物はなるべくそとで干すのが、彼女の信条だという。

                 The End
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投稿者 Napori Takao : 07:00