2008年09月09日
御徒町ドロドロ姉弟(2)
どうやら彼にいっているのではなく、自慢している様子だ。
「あたしは人にうまいこといえるのさ!
相手のプライドを傷つけないようにして、相手に文句がいえるのよ!」
「オレはそれがいえないんだよなあ」
「だからバカだっていうんだよ、あんたは!」
「わかってるよぉ、姉ちゃん」
見るからに頼りなさそうな弟は40代だろう。
お坊ちゃん風でゴルフなどをやっていそうな
健康的な体格だが、風貌にどこか頼りなさがある。
夕方の5時だというのに、ふたりはだいぶ酔っていて、
声が大きい姉はさらに弟にからむ。
「あんたはバカヤローだっていってるんだよ!」
「わかってるよぉ」
「すぐに引っかかる!」
「それはさあ、兄弟だしさあ」
「兄弟だから気をつけろっていってんじゃないの!
バカだよ、あんたは!」
「そうだよぉ、オレはバカだよぉ……」
泣き出す弟。
「あんた、あたしたちの家族がどんなひどい争いしてきたか、
あんただって骨の髄まで知ってるでしょ!」
「そうだけどさぁ……」
顔を歪めて泣く、中年男。
「だけど、あんただけはそういうのに巻き込まれないように
気をつけなさいっていってきたじゃないのよ!
あたしはあんただけは! あんただけは!
この手で守ってきたんだよ!」
泣き声になる姉。もはやドロドロの鮨屋の空気。
困惑する大将。迷惑するN氏。
~ To be continued
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