2008年08月22日
ある演奏会(2)
N氏はご主人からその方がどんな音楽家なのかを聞いたが、
ここでは明らかにできないので、読者の方は自分なりに
シタール、胡弓、三味線など、日本で知られているものの、
まだ一般的に演奏者が少ないような、ちょっと珍しい楽器を
想像していただきたい。話をすすめよう。
「うちのお客さんでね、ある音楽家の男性がいるんですよ。
その筋ではとても有名な方で、国のいろんな祭典や重要な行事に
演奏で呼ばれることも多いわけ。その人がこの間ね、
ある新興宗教から演奏を頼まれたってんだな」
「ほう」
N氏はご主人に髭を剃られながら、眉をピクリ。
「でね、総本部にきて演奏してくれってわけ。
いってみると、そりゃあ立派なホールだったらしくて、
驚いたらしいんだな、これが。でね、
『演奏前に、教祖様に合わせてあげる』といわれたんですって。
よく聞いてよ、お客さん。ここがミソ!
むこうから『教祖様に会ってください』じゃなくて、
『合わせてあげる』というところが、この話のミソね!」
「そんな伏線があるんですか」
「あるのあるの」
ほんとかなあ、と疑いつつも、ご主人の話は続く。
「で、教祖様の部屋というところに連れていかれたわけよ。
それがすごいんだって! なんつうの、
外国の宮殿みたいなほら、天井まであるようなドでかい扉!
あんなのをいくつもいくつも押して、歩きに歩いたんだと!
で、ようやく教祖様の御前に音楽家はたどりついたわけだ!」
ようやく本題が始まったところで、続きはまた来週!
~ To be continued
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