2008年08月21日
ある演奏会(1)
毎度おなじみ、寝かせてもらえない床屋さんの話。
この日もご主人のトークはノリノリで、
眠いN氏は眠らせてもらえない。
「この前ね、ソフトモヒカンにしてくれって
お客さんがいましてね。話してるうちに怒って帰っちゃった」
「どうしたんです?」
「あのね、ソフトモヒカンっていったって、
モヒカンにもいろんな種類があるんですよ」
「そうなんですか」
「だいたいね、外国でそんないいかたするところないですよ。
ソフトモヒカンって、日本でしか通じない呼びかたなんだから」
「へえ~外国じゃなんて呼ぶんですか?」
「スパイキースタイルとかいうんじゃないかな。
ほら、靴のスパイクね。あんなふうにとんがってるから」
「なるほど」
「それをね、みんなわかったようなつもりでいってるけど、
昔のベッカムの髪型みたいなのは、あれは
彼の頭の形に合ってるからこそ、カッコいいわけ。
ところが、この前に店にきたお客さんは日本人で、
こめかみのところが出っ張ってるわけ。横に頭がでかいの!
そんなヤツがあれと同じにしてくれったって、
頭の張り出しが目立つから、かえってブサイクだってんの!」
ご主人の怒りはおさまらない。
「モヒカンたっていろいろその人の頭に合わせてこそ、
カッコいいわけよ! 前髪を厚めにとるとか、
中央だけ厚くとるとか、いろいろその人によってやりかた
ってもんがあるんですよ。だれでもベッカムになれると
思ってるところが、おかしいっつうの!」
ご主人は怒るだけ怒ると、すっきりしたようだ。
そこで、なにやら思い出したらしく、ニヤニヤしはじめた。
「そうそう、うちのお客さんでね、ある音楽家の方がいるんですよ」
~ To be continued
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