2008年07月31日

悪いことしてないのに、悪いことした感じ(2)

 1人残った坊主頭の男性はワゴンの中をチェックしている。
 そのころ、N氏は「これがいいかも」と1枚のTシャツを発見。
 そして、手に持ったまま、ほかをチェックしはじめた。
 そこへ女性が帰ってきた。
「どう、決まった?」
「え? う~ん」
 坊主くんは煮え切らない様子だ。

 そこでなにを考えたのか、坊主くんは品定めを終えずに、
 また最初から自分のスタート地点にもどってチェックしはじめた。
 つまり、同じルートを2回まわりはじめたのだ。
 そろそろチェックを終えようというN氏の片手には
 1枚のTシャツがあった。

 ふと、坊主くんが妙なことをいいはじめた。
「あれ?! さっき買おうと思ってたのがない!
 チェックしたシャツがない。ほらあのMの!」
「ないの?」
 ドキッ!

 まさか、N氏が手にとった唯一のTシャツを、
 彼も狙っていたのか。そんなばかな。 これだけTシャツが
 あるというのに。でも、たしかにこれは残り1枚しかなかった。
 人間とは不思議なものだ。N氏はなんにも
 悪いことをしていないのに、うしろめたい気持ちになった。

 そのうち、女性がN氏に気づいた。
 忍び笑いをしながら、なにかコソコソと坊主くんに耳打ちした。
「フフフ、あの人、あなたのを持ってっちゃったんじゃないの?」
 みたいなことをいっているのだろう。なんともいえないイヤな空気で
 2人がこちらを見ている感じが伝わってきた。

                 ~ To be continued
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投稿者 Napori Takao : 07:00