2008年07月16日

熱い声援(1)

 N氏が自転車に乗っていると、目の前に急坂が現れた。
 ちょっと運動不足だし、降りずにこのまま登ってみるか。
 よいしょ、よいしょ!
 あ~けっこう苦しい! もう降りようかな……
 そのとき、背後から大きな声が響いた。
「がんばれ! おしっ! がんばれー!
 がんばれ、がんばれ、がんばれ! がんばれー!」

 近くでトレーニングでもしているのか。
 苦しいけど、ちょっと振り返ってみる。
 が、誰もうしろでトレーニングなどしていない。

 ただ1人、70代に見えるおじさんが、
 自分の屋敷のブロック塀のむこうから顔を出して、
 こっちに向かって、大声で叫んでいる。
「がんばれ、がんばれー!」
 オレにエール?! まさか。N氏はまわりを
 キョロキョロしたが、ほかにはだれも坂をのぼっていない。

「がんばれ、がんばれ、がんばれ! がんばれー!」
 やっぱり、N氏が応援を受けているのだ。
 そろそろ辛いから降りようと思ったのに……

 そもそも、北京オリンピックの練習をしているわけでもないし、
 ワールドカップの特訓でもないし、ちょっと自転車で
 坂を登っているだけの無名の40男に、そんな真剣に応援されても……
「がんばれ、がんばれ、がんばれ! がんばれー!」
 だが、おじさんは真剣だ。

                 ~ To be continued
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投稿者 Napori Takao : 07:00 | コメント (0)

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