2008年07月07日
赤坂の女たち(1)
数か月前のウイークデー、17:00。
新国立美術館でモディリアーニ展を観たあと、
N氏は六本木から赤坂までぶらぶらと歩いた。
このあたりは、とても空気が汚れているのを感じる。
便利かもしれないけれど、住むにはどんなものだろうと思いながら、
高層マンションの横を通りかかったときである。
35歳くらいの黒いドレスを着た女が、
携帯画面を見つめながら、憮然として歩道につったっていた。
冠婚葬祭の前なのか、それとも終わった後なのか。
それから女は腕組みをして、駐車場の方をにらみつけた。
何事だろうと見ると、ちょうど1台の車が、
立体駐車場から出てきたばかりである。
運転しているのは45歳くらいの男。
男がなにやら、うろたえてハンドルをにぎっているのがわかる。
女におびえている様子なのだ。
次の瞬間、考えられないことが起こった。
女は車に歩み寄ると、自分が片手に持っていた
赤い携帯電話を(閉じた状態ではなく、広げた状態で)
運転席のすぐ外のサイドミラーにたたきつけたのである。
ドン!! と ボスッ!! の中間のような、
鈍いがすさまじい音。目を見開いて、引きつる男の顔!
「えっ!?」
~ To be continued
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