2008年05月19日

取材にて

「新幹線の時間は? 5時?
 そうかい、まだだいじょうぶじゃね。ワシが駅まで送っちゃるき。
 ワシも20歳くらいの頃、東京にいたことがあったんよ。
 あのころは戦後間もなくてのぉ。夜になると、多摩川の土手に
 アメリカ兵とやつらに買われた日本の女たちが、
 そりゃもういっぱい来とった。
 そいつらが土手のあっちこっちでやりよるわけだ。

 ワシはまだ、女なんか知らん時代で、
 その連中がうらやましいやら、悔しいやら、腹立たしいやらでのぉ。
 友達と『やっちゃれ!』言うて、
 よく河原で石を拾っては土手でやってるヤツらに向けて
 石を放り投げたもんだ。

 そうすると、アメリカ兵やら女やらが、
 『うっ!』『いたっ!』なんて声が聞こえてきてのぉ! ハハハ!
 ざまあみろって、笑いながら逃げたもんよ。
 アメリカ兵からタバコもらって、売りさばいてたこともあったのぉ。

 さあ、柿食いなさい。ほら、熟れてるヤツがうまいよ。
 柿の木のむこうに山が見えるじゃろ? そう、それじゃ。
 その山のすぐ向こうに落ちたんじゃ、原爆がのぉ」

                 The End
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ↑ ↑ ↑ ブログランキングに参加しています。クリックで応援いただけるとありがたいです。

投稿者 Napori Takao : 07:00 | コメント (0)

コメント

コメントを送ってください




ログイン情報を記憶しますか?

(スタイル用のHTMLタグが使えます)