2008年05月14日
ガンコジジイの正体(3)
「なにしろ、1週間に1回でしょ。こっちも困るわけ。
まだ、ろくに毛なんか、伸びちゃいないっつうの!
だから、あるとき施設の人にも相談したの。
髪の切りようがないし、こっちもお金もらうんじゃ悪いから
せめて2週間に1回にしてくれ、ってね。
『でも、本人は来たがるし、こちらも……』
なんていうんだな、施設の人が。で、結局、
『髪の毛は適当でいいから、顔をていねいに剃ってあげてください』
って言われて、そうなったわけ。
ところが、おじいさんは顔剃りが気持ちよくなっちゃったのか、
今度は2、3日に一度、『床屋にいく!』って言い出しちゃった。
雨の日だろうが、嵐の日だろうが、来たがるんだから。
向こうでも必死になだめてもなって、
なんとか1週間に1回ペースにしてもらったわけですよ。
そんなある日ね、そのおじいさんの前にお客さんでいらした
外人さんと英語でやりとりしてたわけ」
実は床屋のご主人は留学経験があり、
流暢な英語がしゃべれるのだ。
「でね、おじいさんはたぶん待ってるあいだに
会話を聞いてたんだな。自分の番がきてイスにすわるとね、
いきなり私に英語で話しかけてきたの!
それも見事な英語でしたねえ。それから話しているうちにわかったんだけど、
どうやらその人は銀行関係のトップの人らしいんだな。
もともと学歴がいいんで若いうちから戦争でも将校かなんかに
なってたらしいんだな。日本が戦争に負けると、アメリカは
こういう若者に目をつけて、金銭的に援助して、アメリカ留学をさせたらしいね。
むこうで洗脳させて、その後で金融業界のトップに立たせる。
それからアメリカ寄りの戦略に従わせるっていう、
壮大な長期計画を練ったらしいんだよね。
おじいさんはその歯車のひとつだったわけ。
それが今も続いてるわけですよ。
恐ろしいですねえ、アメリカって国は」
The End
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