2008年04月30日
緊急リリーフをせよ(五)
キミに私の手術が理解できるのかね? という疑念の目線!
こうなると、N氏は燃えてくる。
N氏はまず、先生のこれまでの経過に対する不満を聞いてみた。
「これまでの原稿を軌道修正しないといけませんので、
先生のイメージに合わない点を具体的におっしゃっていただけますか?」
「う~ん……」
やっぱりこうくるか。
「ではこういった感じの本にしたい、という
サンプルになるような本は具体的にありますか?」
「う~ん……」
けっきょく、自分のイメージができていないのだ。
「では、内容に関しては、これまでの原稿はいかがですか?」
「まあ内容はねえ、説明したとおりですがね」
「ということは、先生がひっかかってらっしゃるのは
文体や著書の構成面ではないですか?」
「まあ、そうですねえ……」
とはいうが、歯切れが悪い。
「文体なんですが、今までの原稿と同様に
『~だ。~である。』調でいいんですよね?」
「そうですねえ……」
「構成は手術法の解説からでよろしいですか?」
「そうですねえ……ああ、そうだ。
アメリカの学会で賞をとったときの写真を載せてもらえませんかね」
「最初のページにですか?」
「いや、表紙がいいかな」
「わかりました。カバーのデザインは
原稿を完成させたあとにくわしくやりましょう」
「ああ、でもどうなのかなあ」
「えっ?」
いったそばから、先生は首をひねった。
~ 次回へ続く
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投稿者 Napori Takao : 07:00