2008年04月17日
電話取材を乗り切れ(弐)
N氏は腹の立つのをこらえて、下手に話しかける。
「といいますと、取材をお受けになりたくないということですか?」
「う~ん……」
優柔不断なこの医師は「イヤだ」とも意思表示ができない。
こんな男に手術なんかされたら、殺される。
いい歳をして、医師はすねはじめる。
「あのね、こういう本に名前が出ると、僕はまずいんですよ」
「それは申し訳ありません。
ではそのようにAさんにはお伝えしておきます」
頼まれて電話しているだけなのだから、こっちはなにも悪くない。
無理に取材させろともいわない。
なのに、あやまらなければならないなんて。
「もともと出してほしくなかったんだよね」
N氏はさすがにカチンときたので、ツッコミを入れた。
「でも先生、Aさんには一度了承したんですよね?
気がかわったなら、Aさんに連絡していただけませんか」
「でもそれは」
「先生、私はAさんに頼まれて電話をしてるんです。
ムリに取材させてくださいという気もありません。
気乗りがしないなら、今後のこともありますし、
Aさんとお話しになってみてはどうですか?
こちらも取材を受けたくない方に取材をするのは気がすすみませんし。
私に文句をいわれてもしょうがないんですよ」
「はい……」
読者のみなさんも、もし、なにかで知人に電話取材を頼まれた場合、
イヤならイヤだとはっきり伝えるのがいちばんである。
いくら親しい相手とはいえ、その人が本を出して協力を求められても、
ほとんどの人が「めんどうだし、名前を公の場所に出したくない」
というのが本音なのだ。N氏だって、一般の編集者だってそうだ。
テレビの取材も街角でやっているが、
東京で協力する人はめったにいない。
意思表示をはっきりするのがむしろ礼儀なのだ。
でないと、本を出す間際でストップがかかり、大混乱になることもある。
次は微妙な年齢の女性への電話取材編。
~ 次回へ続く
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