2008年04月02日

密室取材に耐えよ(六)

 と思う間もなく、次の人影が!
 複数か?!
 すると、今度は自転車に乗った人影が!
 通り過ぎる車のヘッドライトに
 通行人がうつっただけだった……
 人騒がせな。

 Aさんの話はまだ続いている。
「関西からこっちに出てきたときは、数千円しかもってませんでしたよ」
「どうしたんですか?」
 取材時間が長くなると、クライアントも気を許してくれるので、
 微妙な質問も投げかけやすくなる。

「事務所を開くまでには、いろいろあったんでしょうね」
「ええ、まあね。でも、まあとりあえず、
 てっとり早く金が入ったこともあってね」
 考えてみれば、そんな状況で出版の費用なども
 よく捻出できたものである。それだけではなく、この部屋には
 最新のパソコンもそろっているし……まさか悪いことを……

「どうしたんですか?」
「まあね、殴らせたりしましてね」
「えっ?」
「ちょうど、東京に出てきたばかりのときでしたよ。
 車を運転していて、路上で割り込みしてきたヤツがいましてね、
 『なにすんねん!』って、文句いったわけですよ。
 そうしたら、むこうから若い男が下りてきましてね。
 標準語で『ばかやろう、なんだてめえ~』なんて
 からんできたんで笑いそうになりましたよ。

 道を譲るの、譲らないのなんて話の前から、
 そいつがキレてるのがわかりましたからね。
 で、コイツはやるな、金になるな、と思ったんです。
 案の定、すぐに殴りかかってきましたよ。
 内心、ラッキー! ですよ、フフフ」

                 ~ 次回へ続く
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投稿者 Napori Takao : 07:00