2008年03月26日

霊能力を体験せよ(四)

 その間にも、締切氏がカメラのシャッターを切る音が続く。
 カシャ! カシャ! 前から撮らないでね、締切さん。
 思いっきり、全国に顔出ちゃうから。
 すると今度は耳のすぐそばで先生の叫び声だ。
「えいっー! はあーっ!! うすっ!!」

 最後の「うすっ!!」ってなんだ?
 まもなく、肩や背中を触られて、また気合いを入れられた。
「えいっー!」
 そのときであった。
 締切氏が撮影に気合いが入りすぎて、
 N氏の横顔のすぐそばで写真を撮ったのである。
 バッ!

 ストロボの強烈な光にびっくりしたN氏は
 その拍子に、思わず片方だけ薄目を開けてしまったのだ!
 あっ、しまった!
 一瞬だったが、薄目から見えた外の世界は真赤に見えた……

「はい、終わりました」
 背中を冷汗が流れる。目を開けてしまった……
 心の中がモヤモヤする。先生に、
「ちょっとだけ薄目を開けてしまいました」ともいえない。
 大丈夫だろうか。

 取材後、その話を締切氏にしたら、
「お~じゃあ、1週間後にダメですね、フフフ」
 などと言われて、もっと深刻な気分になった。
 体がよくなるはずの治療をしてもらったのに、
 そちらのほうはどうだったのかよくわからないまま、
 悩みに悩んだ週末のある日。N氏は近くの神社と、
 明治神宮にも出かけて参拝を済ませた。
 そして、1週間目を恐る恐る待ったのだった。

 あれから数年経つが、N氏は元気である。
 筆客商売武芸の心得、「霊能者でこまったときは神頼み」。

                    これにて一件落着。
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投稿者 Napori Takao : 07:00 | コメント (0)

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