2008年03月22日

霊能力を体験せよ(壱)

 数年前、N氏はある霊能者の代筆を依頼され、
 その先生の事務所へ取材に出かけた。
「おじゃまします。先生、お忙しいところ、すみません!」
「いえいえ、どうぞ、入ってください」
 現れたのは恰幅のいい、年配男性である。
 どの案件でもそうだが、代筆のライターは
 初対面の日にいきなり深い取材をしなければならない。
 だから、愛想がいいにこしたことはない。
 いうなれば、ゴルゴ13とまったく逆にふるまうのだ。

 取材は、先生がこういう病気や症状を治したなどという、
 話なのだが、取材をすすめるうちに
「実際に体験していただくのがいちばんわかりやすい」
 という話になった。

 どこに取材に出かけてもそうなのだが、
 実際の体験となると、同行した編集者や営業さんではなく
 必ずライターが実験台にされる。
 この日も当然、「じゃ、Nさんに受けていただきましょうか?」
 と編集者の締切マモル(仮名)氏が笑いを押し殺していう。
 またオレかよ……
 とはいえ、これまで接骨院の先生をはじめ、いろんな人に
 いろんなことをしていただいたが、「悪くなった」ことはない。

 エネルギーが充満しているという部屋に入れば、
 そこにはさまざまなパワーストーンが置いてあり、
 さながら室内は魔女の館のようだ。
 椅子に座ったN氏に先生がいった。

「目をつぶっていてください」
「はい」
「途中で目をあけちゃダメですよ。困ったことになりますから」
「えっ、どういうことですか?」
「私のやっているところを、目を開けてずっと見ていた人がいましてね」
「はい」
「その人は治療から1週間ぐらいして、亡くなりました」
「えっー!!!」
 ノドから心臓が飛び出すとは、まさにこういうときだ。

                 ~ 次回へ続く
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投稿者 Napori Takao : 07:00 | コメント (2)

コメント

>その人は治療から1週間ぐらいして

そりゃ元々寿命だったんでは。
そうでなければ先生は業務上過失致死容疑者。
などといらん突っ込みをしてみるわけですが
何の関係もないゴルゴをわざわざ引き合いに出して来るあたり
ナポリさんの揺るぎないこだわりを感じました。

投稿者 fuk : 2008年03月22日 18:19

fukさんへ

コメントありがとうございます。
お返事がおそくなってしまって、ごめんなさい。
先生は手を触れないでやってましたが、
その場合、今の法律ではどうなるんでしょうね~

小学校低学年で床屋にあった
ゴルゴ13を手にとって以来、数十年ですね。
最終回が気になってしょうがありません。

投稿者 ナポリタカオ : 2008年03月24日 09:01

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