2008年02月16日
ガンコなふたり(4)
空席はとうとうふたりの横しかなくなってしまった。
それでもガンコに動かないふたり。
目の前へひと組のカップルがやってきた。
明らかに視界に入っているのに、まだ会話をつづけている。
だが、ちょっとぎこちない。
さすがに目の前に立たれて動揺しているようだ。
カップルの男のほうが、本来なら
やらなくてもいい、イヤな役目を買って出る。
「すみません、ここ入っていいですか?」
「あ、はい」
すみません、くらい言え!
ところがだ。壁際のB子のほうに、壁から離れているA子が、
横ひとつ移動しただけなのだ。
つまり、ふたり(★で表示)がすわっていた様子を記号で表せば、
→壁★☆★とすわっていたのが、→壁★★☆とつめただけである。
そして、声をかけたカップルは、
もともとA子がいた☆の位置にすわったのである。
そこかよ! ずっと話してるんだから、
ひとつのテーブルに向き合って座ればいいじゃないか。
混んでるんだから、もうひとつ空けてやれば、だれか座れるのに。
どこまで「親しくなりたくない」ふたりなんだ。
顔は笑ってるのに、態度は裏腹!
そしてA子とB子は、また何事もなかったかのように、
となりの席同士で首を真横に向けながら、
子どもの話などを延々とはじめたのであった。
「親しげだけど、親しくなりたくない人」
あくまでもその関係を貫いたふたり。
女は怖い! ほんとに怖い!
The End
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