2008年02月06日
キューピー独演会(1)
すっかりおなじみ、大田区蒲田温泉14:00。
60代のおじさんたちが浴槽につかりながら2、3人で話している。
「タバコはほんとはいいらしいよ。
吸ってる人はアルツハイマーにならねえんだと」
「おお、そうなんだよな、ニコチンは体にいいんだよ」
「ガンになるとかなんとかも、ほんとはあれ、よくわかってねえんだろ?」
「おお、そうだよ!」
信憑性があるんだかないんだか、
よくわからない情報で盛り上がるおじさんたち。
そこへ常連のおじさんがやってきた。この人は童顔で
血色もいいので、顔だけ年とったキューピーみたいだ。
丸い横腹をてのひらで、ピシャピシャたたく。
これはこの人のメッセージなのだ。
(みなさん、ごめんなさいよ、これからオレが浴槽入らせてもらうぜ)
という意味の挨拶だ。同時に
(ハイ、ほかの話はやめて、オレに注目―!)の意味もある。
やばい。ここでつかまったら、長くなる。
それをさんざん見て知っているN氏は早々に
浴槽を逃げ出そうと考えた。そして立ち上がろうという
瞬間、怖いもの見たさで、たまたまおじさんのほうを見たら、
しっかり目が合ってしまった。
素っ裸のおじさんは浴槽で仁王立ちになったまま、
こっちを見ている。
(今日オレの話を聞くのはお前だな)
不敵な笑みが口の端に広がる。N氏は逃げられなくなった。
おじさんの演説がはじまった。
~ To be continued
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投稿者 Napori Takao : 07:00