2007年12月07日

店にケンカを売る女(1)

ここはある喫茶店。ドトールではないが、
ドトールと同じような業態の店を想像していただこう。
18:30頃、ひと仕事終えたN氏はコーヒーを買って、
『国家の罠 佐藤優・著』を読もうと席についた。

 数メートル先の席で、女性2人が話し込んでいた。
「うーん、そういうことってどうなんでしょうねえ~
 フフフ、でも私にはそういうの失礼かと思ってしまって、
 言っていいのかどうか困っちゃうときって、あるんですよね~」
「そうですよね~」

30前後と40前後に見える女性たちは、なかなか雰囲気もお上品だ。
ふたりの関係にはある程度の距離感があるらしく、
おたがいに敬語を使っている。30前後の女性の声は優雅で、
ゆったりしたバイオリンのように響き、読書をしていても気にならない。

 1時間ほど経過しただろうか、40前後の女性が席を立った。
「それじゃ、私はこれで失礼しますね」
「あ、私、もう少しここで休んでいきますので~」
「あ、そうですか。じゃ、その件はこちらでお願いしておきますので」
「ほんとにすみません」
 30前後の女性がひとり、残った。

と思ったら、彼女は相手が出て行ったとたん、席を立った。
時間をずらして帰るのか? いや、それは違ったのだ。
彼女はおもむろに灰皿の置かれた場所に突進して、
自分の席にもどるなり、ライターで火をつけたのだ。

 思いっきり、鼻声を出しながら煙を吐いた。
「む~っ……む~っ……」
 ついでにため息をついて、
「む~っ……む~っ……」

そうか、ずっと吸いたいのを我慢してきたんだな。
それにしても、足まで組んでしかめっ面でタバコふかす姿は、
さっきのかわいい声とちがって、感じ悪いなあ……
あれ、ちょっと待てよ? なんで彼女はここで吸ってるんだ?
ここは禁煙ゾーンじゃないか?

                 ~ To be continued
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投稿者 Napori Takao : 07:00