2007年11月27日
第8章 日雇い稼業との決別 ~最後の給料受取
私は乱暴に2本線を引いて消し、20:00と書いた。
「はいどうぞ」
書類をつっかえすと、大杉は仏頂面で茶封筒をよこした。
「それじゃこれ」
青の太マジックで『7,700 名堀タカオ』と書いてある。
『様』くらいつけたらどうだ。
「ちゃんとタイムカード押した?」
「むこうで押してくれました」
「帰りも押した?」
「C運送の人に見てもらいましたから」
「ほんとにだいじょうぶ?」
「むこうで押しましたよ。それじゃ」
彼は背を向けた私にまたも食い下がった。
「C運送の人は」
自分や会社の体面ばかりを気にするヤツめ。私は言葉をさえぎった。
「ちゃんと確認したよ! そんなに心配なら
自分で聞いてみりゃいいだろ!」
冷たいメガネの奥の目が、ギョッとした。
「それじゃ」
私はさっさと事務所をあとにした。うしろから、
「またよろしく」の言葉はなかった。去る人間より、
新しいカモを探したほうが早いのだろう。
1週間が過ぎた。私は取材からもどり、テープ起こしをしていた。
これまで通りの生活リズムが心地よかった。
肉体労働をしていたときは、重い疲労で日中もずっと
頭がぼうっとしていたが、それもなくなった。
午後になって、電話が鳴った。
「はい名堀です」
すると、恐縮した声が電話のむこうから聞こえてきた。
日雇い3日目06:30-1週間後13:30 ~ To be continued
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投稿者 Napori Takao : 07:00