2007年11月20日
長い休憩
30分ほどの休憩時間がくると、賭けをもちかけた日焼け男が、
ダンボールをお盆代わりにして、缶ジュースを運んできた。
「野沢さんの負け分のジュースです。どうぞ、
みなさんのぶんもありますから」
彼は2人組だけでなく、私にもすすめるので、
私は彼と野沢に礼を言って席についた。彼はもしかして、
私に気を使って、野沢に賭けをもちかけ、負けさせたのかもしれない。
そのうち、若い男たちに2人組のうちのひとりが参加して、
トランプの大貧民が始まった。「スキューバをはじめた」と言っていた
太った男は彼らにすすめられても、笑顔をつくってかたくなに断り、
横で見ているだけだった。またなにか賭けているのだろうか。
トランプを楽しむ彼らは、私をおだやかに拒否していた。
野沢は相変わらず、机で書類を書くのに追われている。
私は読む新聞もなくなり、手持ち無沙汰で窓の外を見たり、
彼らのトランプをぼんやり眺めたりした。
とくに行きたくもなかったが、息がつまるので、トイレに入った。
『開放厳禁 蚊が侵入してきます』と窓ガラスに紙が貼られている。
蚊1匹に、侵入という言葉が仰々しく、なんだかおかしかったが、
これも食品管理の徹底ということか。
ブラインドに煤が黒々とたまっている。
トラックの排気なのか、海からの砂なのか。
ふたたび作業が始まり、また肉のパックをコンベアーにのせ、
店別に仕分けを終えた。4時30分になっていた。
予定より30分ほど早く作業が終わったらしく、休憩室に向かう。
私以外の者は仲間同士で話し込み、私にはだれも話しかけてこない。
こちらも話しかけるタイミングさえ見つからない。
彼らは部外者を雇っている会社に不満なのかもしれない、と思った。
見ず知らずの新入りを入れるくらいなら、自分たちだけでできるのだ。
実際に、仕事に慣れた日焼け男は他人の2倍も早く仕事ができる。
会社には私が必要だが、彼らは私を必要としていないのかもしれない。
5時まで彼らといっしょに待つのが億劫だった。
せめて夜が明けていてくれればそとを眺めたりできるのに、
曇りなのか、この時間でも外は真っ暗だった。
日雇い3日目02:00-04:40 ~ To be continued
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
人気blogランキングへ
↑ ↑ ブログランキングに参加しています。クリックで応援いただけるとありがたいです。
コメント
コメントを送ってください