2007年11月19日
肉、肉、肉
「そんなこといったって、まだレッスン中だしさあ、俺。
イントラなったらちがうと思うよ。たぶん、
イントラのほうが個人でやるからおいしいかもね」
イントラとはインストラクターのことだろうか。
眉毛男が懇願した。
「はやくなってくださいよお! 俺も呼んでくださいよお!」
「そんなこと言ったってなあ。そこまでやるかどうか……」
「だって××さん、そこまで狙ってはじめたんでしょ?」
「そんなことないよ」
「またまた」
「ほんとだって」
「でもひっかかったらいいと思ってるでしょ?」
「まあね」
「ほら! ハハハハ!」
休憩時間がやけに長く感じた。終わるころには、
私は2日分の新聞を読んでしまっていた。
休憩室のその2人が、そのまま夜中からの作業の責任者だった。
野沢にふたたび型どおりの紹介をしてもらい、作業は始まった。
この仕事で大事なのは、スピードとタイミングだった。
休憩前と同じ作業が続く。肉製品のパックばかりだ。
少人数なので、おたがいの呼吸を合わせて作業をするのだが、
彼らのように慣れた人間と私とでは作業効率に差があった。
だが、作業時間が短いため、集中力と体力のすべてを
ぶつければ、なんとかついていくことができた。
それにしても、これほど肉ばかり見ていると食欲もわかない。
今夜の仕事を終えて、スーパーに寄ったとき、
肉のパックなどを見たら、うんざりしそうである。
ここからパックを盗もうとした人間は、よほどの肉好きなのか。
それとも精神的にまいってしまい、つい、魔がさしたのか。
日雇い3日目00:20-02:00 ~ To be continued
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