2007年11月06日

バスに揺られながら

梅雨入りしたこの日、朝から空が曇り、小雨がバスの
フロントガラスに降りつけていた。窓のそとに見えるプラントの炎は
雨のなかでもまだ揺れ続けている。仕事はA運送にくらべるとラクだった。
だが、日雇い仕事のあとに感じる、この独特の切なさはなんだろう。
人、だろうか。

かつて飯場で働いたときには、きびしい環境に置かれながらも
人と人のぬくもりがあった。だれかがつらい思いをしているのを
だれかが知っていて、それとなく声をかけあう毎日だった。
金のために名も素性も知らぬ者同士が集められ、働くのは
同じなのだが、どこか、この仕事は冷めていて、心が通いあわないのだ。

ともに暮らすこともなく、同じ釜の飯を食っていないせいなのか。
ほとんどの者が休憩中にだれとも話さず、
個のなかに閉じこもっている。それぞれ事情があるのだから、
接触してよけいなことは聞かないほうがいいという
気づかいも感じられるが、だからこそ距離感も生まれてしまう。
それとも、彼らはほかに仕事があり、人間関係があるので、
ここでは関わりたくないのだろうか。

ああ、駅についたら雨のなかを自転車で帰らなければならないな、
とふと思う。昨夜、出てくるときに道がこんでいて、
バスを使うのをやめたのだった。ああ、疲れているときにいやだなあ。
寝る前に飲むビール、こんな時間にどこで買おうか。
近くのコンビニにしておこうか。ああ、A4用紙も買うんだった。
起きてから動くのはしんどいから、寝る前に買っときたいんだけど、
こんな時間じゃ、まだ文房具屋も開いてないか。

この仕事をしたあとは体のすべてがかたまった感じで、
脳みそがぼんやりして、なんだか自分じゃないみたいだ。
そろそろやめようかな。でも、もう1回だけやってみようか。
どうしてこんなことやりたいんだ? 必要ないだろ?
でも、なんだか物足りないんだよな。
よせよせ、楽しくないんだろ、本業に専念しろ。
いつまでこんなことやってるんだ。でも……

否定と肯定をくりかえしながら、私はバスでうたた寝をした。

       日雇い2日目07:20-07:30 ~ To be continued
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
人気blogランキングへ
 ↑ ↑ ブログランキングに参加しています。クリックで応援いただけるとありがたいです。


投稿者 Napori Takao : 07:00