[2007年11月] アーカイブ

さよなら、真夜中の日雇い野郎たち (11月30日)

19歳でとびこんだ飯場生活から、この日雇いの前まで、 私は肉体労働とかけ離れた生活を送ってきた。 そのあいだに、飯場に入...

冷えた誘い (11月29日)

数週間後のある日。午前9時少しすぎに電話が鳴った。 こんなに早くかけてくる人間は、私の取引先では珍しい。 きっと「彼ら」...

皮肉な再会 (11月28日)

「あの……私、ホイホイサービスでごいっしょした、  田中と申しますけど……名堀さん、覚えてらっしゃいますか?」  田中の...

第8章 日雇い稼業との決別 ~最後の給料受取 (11月27日)

 私は乱暴に2本線を引いて消し、20:00と書いた。 「はいどうぞ」  書類をつっかえすと、大杉は仏頂面で茶封筒をよこし...

自分にもどろう (11月26日)

なにかを得たいと思って飛び込んでみたけれど、 そこにあったのはなんだったのだろう。 すがすがしく働きたかったのに、ここで...

早朝の徒労 (11月23日)

「名堀です。いま終わりました」  怒りをこらえて、静かに切り出した。  男は明るい声で言った。 「あ、お疲れさま」  そ...

ひと晩の別れ (11月22日)

 川崎駅に向う途中で同乗の男が降りたので、私は野沢に話しかけてみた。 「みなさん、C運送さんの方なんですか?」 「そう。...

だましうち (11月21日)

 長い30分が過ぎ、野沢が休憩室に入ってきた。  若い男たちに巻き紙状になった一枚の書類を渡した。  若い男たちはその紙...

長い休憩 (11月20日)

 30分ほどの休憩時間がくると、賭けをもちかけた日焼け男が、  ダンボールをお盆代わりにして、缶ジュースを運んできた。 ...

肉、肉、肉 (11月19日)

「そんなこといったって、まだレッスン中だしさあ、俺。  イントラなったらちがうと思うよ。たぶん、  イントラのほうが個人...

真夜中の会話 (11月17日)

12時に1時間の休憩が告げられた。休憩室に向かう途中、 ふたたび、冷蔵庫の片隅にある大量の鶏肉が入れられた ビニール袋を...

流れゆく肉パック (11月16日)

彼らはこの妙技を新入りの私に見せつけたいのか。 しかし、私の心には、夜中にこんなところで金をかけてどうするんだ、 という...

第7章 異邦人 ~賭け仕事 (11月15日)

 彼よりもいくらか若そうな男は「えー?!」と反対し、  長身の男は「やるの? じゃハンデね」とニヤニヤした。 「いいっす...

ぎこちない挨拶 (11月14日)

 冷蔵庫に入ると、切り分けられた肉がパック詰めになっていた。  まだ品番や店名のシールが貼られる前の状態である。  すで...

コソ泥出没 (11月13日)

「じゃ、こっち来てください」  野沢に連れられて廊下を歩いていくと、  30歳くらいの男が野沢を途中で呼びとめた。 「あ...

ビニール詰めの鶏肉 (11月12日)

やがて20代なかばといった感じの若い男たちが3人入ってきた。 私はあわてて挨拶をした。彼らも愛想よく挨拶を返してくれた。...

防護服 (11月10日)

「わからなかったら、とにかく、ぐるっとまわればいいから。  そこから階段あがって6階に行ってください。6階にあがったら ...

放浪 (11月 9日)

ようやくXXXで降りたとき、そとは暗くなっていた。 ホイホイの仕事にしては、勤務時間が短い割にまあまあの 給料だというこ...

人工島 (11月 8日)

午後6時過ぎに川崎駅に到着し、電話を入れたが、 やはりまったくつながらない。みるみる10分、20分が 過ぎていく。とにか...

心の砂漠 (11月 7日)

 2日後。これを最後にしようと決めて、  電話を入れると、またクール大杉が出た。 「えーと、名堀さん、どこ行ったことあっ...

バスに揺られながら (11月 6日)

梅雨入りしたこの日、朝から空が曇り、小雨がバスの フロントガラスに降りつけていた。窓のそとに見えるプラントの炎は 雨のな...

第6章 最後の1日 ~エアーポケット (11月 5日)

休憩後にまわされた青果のほうは常温だった。 ジャンパーからとたんに汗が吹き出す。急いで半袖になった。 このエリアはトラッ...

家庭の事情 (11月 3日)

 私は待ち合わせのときに知り合った男と話した。  彼は自分の名前を山下と名乗った。 「山下さんはよくここに入るんですか?...

冷蔵人間たち (11月 2日)

責任者はパーマをかけた30前後の男だった。 ホイホイサービスの社名が入った、防寒用の青いつなぎを着ている。 いつもここで...

巨大冷蔵庫 (11月 1日)

一瞬、私は自分がどこかへ拉致されるのかと思ったほどだった。 さっきまでは私たち2人だけかと思ったのに、彼らはいったい ど...