2007年10月27日

猫撫で声

駅付近のスーパーで朝から缶ビールを3本買い、
風呂に入ったあとで飲んだ。働いても毎回こんなふうに酒に
金を使っていたらろくに残らないだろう。
しかし、3本ではたりないほど、心も体もかわいていた。
このやりきれなさはなんだろう。

 寝ようとすると、電話が鳴った。ライター関係のクライアントかと思い、
 朝から酔っているのをバレないように電話に出た。
「はい、名堀です」
「おはようございます、ホイホイサービスです」
 力が抜けた。
「はい、なんですか?」
「今夜もA運送どうですか、名堀さん?」
 昨日、現場に私たちを連れていった、あの若い運転手の声だ。
 どうやら日雇いの手配もしているらしい。

「今日はだめです。それにもうあそこではやりたくありません。
 田中さんも言ってたと思いますけど、ああいう状況じゃ働きたくないですよ」
「じゃ、べつのところでどうです?」
 私の答えを予期していたのか、間髪を入れずに聞いてきた。
「だめです」
「今日だめですか? やりましょうよお」
 男は猫撫で声を出した。悪びれずにこんなことを
 平気で言ったりするので、なおさら腹が立つのだ。

「ほんとにだめです、仕事があるんで」
「そうですか」
「明日か明後日ならできるかもしれませんけど」
「明日ですか?」
 明るい声で聞きなおすので、やはりやめておこう、という気になった。

「明後日ですね」
「明後日ですか、わかりました。それじゃ、
 また電話してください。よろしくお願いします」
 手配するときには低姿勢だが、ろくに仕事の説明もせずに
 現場に送り出してしまうのだろう。そのあとは知らん顔だ。

       日雇い1日目終了後09:30-10:00 ~ To be continued
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投稿者 Napori Takao : 07:00