2007年10月13日
威張る太っちょ
休憩のたびにさんざん水分をとったのだが、
午前2時をまわると、喉がからからになった。
それとともに足元がおぼつかなくなり、台車に脛を何度もぶつけた。
が、痛いと言ってころげまわっている雰囲気ではない。
『だからどうした、自分が間抜けだからだろ』と言われるのが
オチなので、ぶつけたことも悟られまいと顔をしかめて耐えた。
早く夜が明けてくれ! 深夜に遊んでいるときには、あっという間に
夜など明けてしまうのに、なぜ今日はこんなに遅いのだろう。
地球はちゃんとまわっているのか。このままでは倒れてしまう。
そのとき、坂田がニコニコして言った。
「おーい、おにいさんら! 休憩だ!」
ほっとして休憩室にむかう途中、うしろで「おい!」と声がした。
振りかえったが、誰のことだかわからないので
そのまま行こうとすると、また声がした。
「おい! おまえだよ!」
長髪をまんなか分けにした太っちょが、私を見すえている。
黒味がかった不健康な顔色で、人相も歪んでいる。
「おら、それ持ってけ!」
と顎をしゃくった。そこには台車があった。私が露骨に反抗的な
目で見返したからだろうか、太っちょはさらにむきになった。
「それだよ、見えねえのかバカ! 台車だ! それを向こう持ってけ!」
威張りくさりやがって、このデブめ。だが、そもそも向こうと
言われただけではわからないので、どこなのか私は近づいて聞こうとした。
そのとき、坂田が割って入った。
「あ、いいよいいよ、俺持ってくから」
坂田は太っちょに私がむかっていくと勘違いしたらしい。こんな態度で
新入りに接していればカッとなる人間もいるだろう。まして私は彼の年上だ。
坂田は私がつかみかけた台車をうばって、休憩室のほうへもっていった。
その背に太っちょが言った。
「おいハゲ、いいよいいよ!」
坂田が苦笑して言い返した。
「ハゲじゃねえよ」
「こいつらにやらせりゃいーんだよ!」
どうやら坂田をハゲ呼ばわりするところをみると、彼よりも先輩に
あたるのだろう。それにしても、いったい何様のつもりなのだ。
日雇い1日目01:30-03:30 ~ To be continued
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夏場ずっといそがしかったので、このところはスローペースで
仕事をしつつ、美術館めぐりをしています。ヴェネチア絵画(bunkamura)、
フェルメール、浮世絵(松濤美術館・お客さんはおじいさんばっかり)、
これからはムンクとフィラデルフィア美術館展が楽しみです。
また月曜日にお目にかかりましょう~
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