2007年09月25日
奴らを当てにするな
男は本社との連絡を終えて、全員に声をかけた。
「みなさん、飯食べました? むこうにいけば食堂とかありますから、
まだ間に合いますけど。あ、ちょっと待っててください」
男はそれから理由も言わずに、ふいに道端に車をとめた。
私はニヤケ裕二にきいた。
「むこうにあるって言ってましたけど、あと30分しかないですよね」
「あっちにはあんまりいいのないですよ。食堂っていっても
販売機で買うような菓子パンとか、お菓子みたいなものだけです。
こっちで買ってったほうがいいですよ」
あとから待ち合わせで車に乗り、私のとなりにすわった、
40前後の日焼けした男も言った。
「買ってきたほうがいいですよ。私ね、この前もそう言われて
現場に行ったら、もう食う時間なかったから。あてにしないほうが
いいですよ、連中はけっこういい加減だから」
「そうですか、そうします。ありがとうございます」
運転手がかえってこないので、私はあわてて
すぐそばにあった弁当屋にとびこんだ。
「すぐに用意できる弁当はないですか?」
「からあげ弁当だけになっちゃいますけど」
「あ、それでいいです」
弁当を買い、車にもどって、さっき声をかけてくれた男に声をかけた。
「あの、何度か、この仕事をされてるんですか?」
「ここの現場は一度、夕方勤務ってのをやりました。ほかのは、
まだ2、3回だけです。あ、 田中と言います。よろしくお願いします」
「こちらこそ、よろしくお願いします、名堀です」
田中は数回経験しているせいか、緊張のなかにも多少の余裕がある。
社交的な感じで、スーツが似合いそうな男だった。
日雇い1日目17:30-17:45 ~ To be continued
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投稿者 Napori Takao : 07:00