2007年09月17日
相乗り
「面接の人ですね?!」
男が先に聞いた。
「はい」
「あの、だいじょうぶですね? 履歴書、印鑑、
それから写真2枚と身分証明書!」
「ええ」
「だいじょうぶですよね?」
「はい」
「いや、このまえね、会社までいってから『あ、身分証明書がない!』
なんて言った人がいたからね。それだと仕事できなくなっちゃうから。
だいじょうぶですよね?」
「だいじょうぶです」
私はやや憮然として答えた。彼らは日雇いをする人間を、
ある水準でひとくくりにして考えているようだ。
「それじゃ事務所に行ってもらうから、乗ってください」
男は終始、敬語と命令語をまぜた口調だった。
バンのドアをあけると、なかに3人すわっていた。
20代半ばと40くらいの男、それに30くらいの女がすわっていた。
私は「すいません」とことわって、なかに乗りこんだ。
私を待っていた雰囲気を見ると、時間をずらして待ち合わせていたのか。
彼らも今日から働くのだろうか。四十くらいの男は、
こわばった表情でこちらに視線を合わそうともしない。
ここで働くのを恥じているようにも見えた。
女は明らかに初めてのようで、緊張に身をかたくしていた。
私には安物にしか見えないイヤリングや指輪などを
ジャラジャラとつけたままで、青いマニキュアをしていた。
食品の仕分け作業で女性の募集があったので、それに
応募したのかもしれない。それにしても女がひとり、
こんな車内に閉じ込められて車で連れて行かれるなど、
不安でしかたがないだろう。
日雇い1日目15:30-15:40 ~ To be continued
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投稿者 Napori Takao : 07:00