[2007年09月] アーカイブ

ミーティング (9月29日)

ベテランのなかで、ひとりだけニコニコして まわりの空気をやわらげようとしている45くらいの男がいた。 コメディアンの『坂...

ざらつく緊張感 (9月28日)

ロングヘアーに声をかけられたメガネの男は、 着替えたまま椅子にボーとしていたが、その言葉に はじかれたように「はい!」と...

黒い部屋 (9月27日)

私たちは入口ちかくにある事務所に通された。 更衣室があり、そこで10人弱の男たちが着がえていた。 見るからに内向的で偏屈...

巨大倉庫 (9月26日)

 やがて運転手がもどってきて、私がもっている弁当を見て言った。 「あ、買っちゃったんですか」  彼の両腕には、どこかべつ...

奴らを当てにするな (9月25日)

 男は本社との連絡を終えて、全員に声をかけた。 「みなさん、飯食べました? むこうにいけば食堂とかありますから、 まだ間...

第2章 巨大倉庫 ~初めての者が送られる現場 (9月24日)

「A運送とB運送は、初めて契約した人が必ず送られる現場なんです。  みんな、なにも知らないから。でもいちばんきついのは ...

老獪な若者 (9月22日)

「あなたがたは夜勤なので、そのままビルを出たところで  待っていてください。A運送に行く、迎えの車がきますから」  大杉...

駆け引き (9月21日)

それから軍手を500円、Tシャツを100円で買わされた。 さすが100円というだけあって、Tシャツは薄手の安物だ。 会社...

日雇いのシステム (9月20日)

 クール大杉は一度奥に引っ込み、それが終わるころ、  もどってきた。そして、今度はニヤケ裕二に親しげに声をかけた。 「中...

面接 (9月19日)

すわるように指示された場所は、フロアーに入る手前の 廊下に置かれた安物の応接セットである。 免許の更新に出かけたときに感...

冷血男登場 (9月18日)

20代半ばの男だけがひとり、口に入れた飴をボリボリかじっていた。 雰囲気から察するとはじめてではないようだ。 どこかニヤ...

相乗り (9月17日)

「面接の人ですね?!」  男が先に聞いた。 「はい」 「あの、だいじょうぶですね? 履歴書、印鑑、  それから写真2枚と...

待ち合わせ (9月15日)

「わかりました。じゃあですね、履歴書、印鑑、  写真2枚と、身分証明書を用意してください。  それからA駅で降りて、こち...

アルバイト雑誌 (9月14日)

アルバイト雑誌を買ってきて、開くと、 運送のページに日雇いの文字が大きく出ていた。 『日雇い ホイホイサービス』 大手運...

第1章 面接 ~蘇る思い (9月13日)

2000年を迎えたこの年、私は37歳になった。 しかし、この年になってアルバイトをするなどとは、 ついひと月まえには考え...

目次 (9月12日)

おもな目次です。アップするごとに追加、変更などを予定しています。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・...

主要登場人物 (9月12日)

私・名堀タカオ(37) ……初めて派遣会社『ホイホイサービス』に登録し、                      日雇...

はじめに (9月11日)

2000年、仕事でスランプを迎えた私は、 かつての飯場生活のように自分を奮い立たせるべく、 ふたたび日雇い労働者の世界に...

あとがき (9月10日)

このシリーズもようやく完結しました。 これまでおつきあいくださったみなさん、ありがとうございました。 当時、飯場から帰っ...

(9月 8日)

バックを肩にかけ、飯場の門を出ると、 道路やあたりの景色がやけにピカピカと光って見えた。 やわらかい景色のなかを、一歩一...

さよなら飯場 (9月 7日)

 部屋にもどって、つらそうに起き上がった  同部屋のふたりに最後の挨拶をした。 「おはようございます」 「ああ、新人さん...

別れの朝 (9月 6日)

 その晩、酒を飲んで平松はめずらしく荒れた。 「こんなタコ部屋、もうたくさんだよ! 俺はやだね、もうやだね!  俺もやる...

夕焼け (9月 5日)

「タヌキの現場も行ってるんでしょ?」 「今はあっちとこっち、半々くらいかな。あいつ、  あいかわらずうるさくてしようがね...

最後の現場 (9月 4日)

河口は入浴剤のように不気味な深緑色に汚染されていた。 袋に土を入れ、口を紐でしばり、できた土嚢を 土手に積みあげていく。...

満期日 (9月 3日)

飯場に入って22日目。盆休みや雨をはさんで、とうとう 私は16勝6敗で満期をむかえた。 ところが、この日、乗るはずのポン...

背徳の味 (9月 1日)

翌日も水道管取り換え作業に駆り出されたので、 昼飯を『田村組』の飯場の食堂でとることになった。 私たちはふたたび、おかず...