2007年08月22日

ドブに落ちた巨漢

「橋の上からオッサンがドボーン!」
 ジャイアンツは胡坐をかいたまま、
 手をバンザイの形にして前にかがみこんだ。
「こんなふうに、まっさかさまに落ちてきやがったんだ!」

「うつぶせでよ! 『こりゃたいへんだ!』ってんで、
 あわてて抱き起こしてみたら、口から泡吹いてるじゃねえか。
 『癲癇だ!』ってんで、とりあえずドブから土手に
 引きあげようとしたんだがよ! なあ!」
「たまんねえのなんの!」
 棟梁が笑いながら合いの手を入れる。

「問題はそれからだぜ! 野郎重いのなんの、
 あれ180センチに80キロはあんだろ?」
「90あんだろ?」
「いや80ってとこじゃねえか?」
「いやもっとあるよ!」

 彼らが体重のことであれこれ議論しはじめると、
 教師風の男が自信たっぷりに割って入った。
「80キロだと、あげたときの体重が90キロだね。
 人間の体というのは、意識を失ってぐったりした状態だと
 体重が10キロふえる計算になるんだ」
 ジャイアンツは偉そうなこの男の
 振る舞いが気に入らないのか、彼の言葉を流した。

「まあとにかくアンちゃん、そういうことだ。なかなかあがらねえんだ。
 だからみんなでヒーヒー言いながら、ありゃあ
 30分もかけてあげたっけなあ、ケケケ!」
 全員がゲラゲラと思い出し笑いをした。
「で、ようやくドブからあげてな、
 救急車呼ぶことになったんだがよ……」
 ふいに周囲を確認して、声をひそめた。

      飯場生活15日目12:10-12:30 ~ To be continued
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投稿者 Napori Takao : 07:00 | コメント (2)

コメント

変化に富む日々の体験談、楽しく読ませていただいてます。この先のハプニングを楽しみにしています。

投稿者 MAIA : 2007年08月22日 13:02

MAIAさんへ

コメントありがとうございます。
あと1~2週間で完結となります。
長いお話でしたが、
読んでいただいてありがとうございます。
メールで応援いただいたみなさんも
ありがとうございました。

投稿者 ナポリタカオ : 2007年08月23日 11:14