2007年08月17日
汚水まみれ
泥を上げながら下流に進むと、低い橋についた。
橋の下の作業は頭をコンクリートにぶつけそうだったので
ヘルメットをかぶり、かがんだ姿勢で泥をすくい、
橋のとぎれたところまで持っていき、上に放り投げる。
橋は地上の人間には便利でも、ドブさらいには厄介だ。
私が泥をすくっていると、突然、褐色の液体が
配管から流れてきて、肩や頭にかかった。
「あっ」
三崎が言った。
「おい、それ小便じぇねえか?」
「うえっ」
私は情けない声を出して、2メートルほど下流のドブの水で洗った。
洗いながらもドブの水に吐き気がする。
「そっちの水もおんなじだよ!」
ジャイアンツがうしろから声をかける。
男たちがげらげらと笑う。
「でも、こっちのほうがちょっと薄いはずです!」
私のこたえにもっと大きな笑いが起きた。
徳山組には棟梁のほかに2人の人夫がいた。
ひとりは黒縁眼鏡をかけた教師のような小太りの中年男である。
チェックのシャツにスラックスのスタイルは、周囲からちょっと浮いている。
言葉使いもどこか知識人ぶっている感じがある。
そのためか、彼はほかの土工たちから、
ちょっとうとましがられ気味で、距離をおかれていた。
なぜ、ここでスコップを持っているのだろう。
想像もつかないが、それなりの事情があるのだろう。
もうひとりは、私が一番興味をひかれた、尾形老人である。
飯場生活14日目10:30-11:30 ~ To be continued
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