2007年08月13日
ドブさらい
翌日はほかの現場へまわされた。昨日の一件が
堀内の耳に入ったのだろうか。だが、ほかの理由かもしれない。
土工は満期が近づくとラクな現場にまわされるらしい。
経験からすれば、出るときの印象がいいのだ。
もどってくる確率も高くなるのかもしれない。
14日目とはいえ、初日、3日間の盆休みも入れれば、
私は実質まだ10日しか働いていない。
15日間契約の満期まであと5日もある。
現場は車でわずか20分だったため、
5時に起きて飯を食い、7時半まで二度寝ができた。
タヌキの現場に比べたら、天国だ。
仕切っているのは『徳山組』で、寺本建設からは
親分格の三崎、ジャイアンツ、三木、私が派遣された。
土工たちに『オヤジ』とよばれているのが徳山組の
社長兼現場監督で、眼鏡をかけ、脱サラの雰囲気を
残したような男だった。車の中で寝ころんでラジオばかり聴いており、
作業の指揮は『棟梁』と呼ばれる男がとっていた。
現場はこれまでにない汚れ作業である。ドブさらいだ。
幅2メートル、深さ1メートル70センチほどの水路に、
30センチも溜まった泥やゴミが集積している。
ところどころ、ゴミが水を堰きとめ、水は日中の熱気で
黒々と腐敗して、悪臭を放ち、生命の痕跡さえなかった。
長靴に履き替えて、水路に下りてみると、悪臭は胸を
つまらせるほどひどかった。ドロドロのヘドロは人間の
社会生活をまるごと搾った、滓の溜まり場だった。
飯場生活14日目05:00-08:20 ~ To be continued
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投稿者 Napori Takao : 07:00