2007年08月08日

出稼ぎ組の挑発

休み明けはふたたびタヌキの現場である。
この日は5人乗りのバンの運転だった。私がエンストさせた
ポンコツバスは平松が運転していったが、
堀内はほんとうに修理に出したのだろうか。

車にはこの日、初顔の出稼ぎ組が乗りこんできた。
彼らは口コミでやってくるので、仲間だけだと
「○○村の××さん」にはじまり、同郷の話になる。
そして東京がいかに物価高で暮らしにくいか、という話になる。
中高年の彼らには言葉のコンプレックスもあり、
それがいっそう、東京に対する憎悪を育てるようだった。
行きの車のなかでは、私だけが「よそ者」で、
彼らとの会話はなにもなかった。

定時に作業は終了したが、あいにく帰りの道路は混んでいた。
追いこし禁止車線のはるか前を、バスが黒煙を吐きながら
ノロノロ進んでいる。カーブや細い道も多く、
見通しが悪いため、対向車線の様子が見えにくい。

追いこし車線に出ても対向車がすぐに来るので、
後続車がなかなか追いこせない。バス停で止まるたびに
一台、また進んで一台、前の車がおそるおそる抜いていく。

 列は続き、まだ時間はかかりそうだ。
 後部座席の連中はいらいらしはじめた。
「おい、早くぬけよ!」
「バスでつまってるんですよ。まだ前にも車があるでしょ」
 私は冷静に言った。

私ももう13日目だ。いつまでも「アンちゃん」呼ばわりは
ごめんだ。男の世界ではなめられたら、見下される。
見下されれば、相手はどんどん態度がでかくなる。
相手がふたまわり年上だろうと、「新入り」などに
なめられるわけにはいかない。それが飯場なのだ。

      飯場生活13日目06:10-17:30 ~ To be continued
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投稿者 Napori Takao : 07:00