2007年07月14日
ゲイにガンとばす
飯場に帰れば、さっき同情していたジャイアンツが
いつものように噂をばらまいて、明日には
飯場中の土工が私の失態を知り、あざけっているだろう。
もうすでに「あんなガキ、運転手をやめさせろ!」とだれかが
言い出しているかもしれない。それならこっちも大歓迎だ。
でも、きっと運転手は見つからないだろう。この悪条件で
1日500円の運転手当でもいいからやりたい、という土工などいない。
悔しかった。でも、なにを考えたところで飯場にいる限り、
選択肢はひとつだけだ。帰って飯を食い、風呂に入り、
今日の失敗に頭をかかえて、鼠のように身をちぢめ、明日を待つ。
彼らの記憶から今日の私の失態は、しばらく消えないだろう。
私は最後まで頼りない新入りのまま、
彼らに記憶され、見下されて働き、満期を待つしかない。
同部屋の三崎は、ほかの現場でボスをやっているらしいが、
だれかに話を聞いたら、私にどんな態度をとるだろう。
飯場につくと8時をまわっていた。遅い夕飯をすませた
ほかの土工たちが風呂に入ると、私は洗濯をして時間をずらし、
だれもいない風呂場に入り、シャワーを浴びた。
彼らの不機嫌な顔も見たくないし、彼らも私を見たくないはずだ。
すると、いつものようにゲイの坊主があとから
風呂に入ってきて、近くで体を洗いだした。
また湯の飛沫を私にとばして、興味をひこうとでもするのだろう。
おまえには、もううんざりだ。ホモだけ相手にしてろ。
私はその場をはなれ、ほかの場所で体を洗った。
すると、坊主はニヤニヤして私を見た。
私は無性に腹が立ち、睨み返した。
また近づいて妙な真似でもしやがったら、この風呂桶で
頭をかち割ってやる。髭剃りのカミソリもあるぞ。
心が荒れていた。
ほんの少しの刺激で、なにかやりそうだった。
坊主は私の雰囲気に異常なものを感じたのか、
背中を丸めて出ていった。
飯場生活9日目19:50-20:30 ~ To be continued
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