2007年07月11日
オヤジ、脅される
相手のオヤジは煮えきらなかった。私の態度も
気にいらないのだろう。顔をしかめて、
ほんの少し減った自分の車のバンパーを見ている。
「まったく……」
こちらも、だからどうしたんだという態度で、
開きなおったので膠着状態が10分もつづいた頃だった。
ふたたびバスのドアが開けられた。
そして、ひとり、またひとりと土工たちが降りてきた。
彼らは近づいてきて、こすったところを見ながら、
聞こえよがしに言いはじめた。
「おお、ここか、ここか」
「あんまりこすってねえな」
最後には10人ばかりが降りて、2台のまわりをとりかこんだ。
多勢にかこまれた初老の男の顔は、だんだんひきつっていった。
「これじゃ、たいじょうぶだろ?」
菅谷がバンパーを確認しながら、ひとりごとのように言った。
さらに、ジャイアンツがだめ押しをした。
「こっちは白線こえてなかったか?」
同部屋の相棒が答える。
「ああ、そう見えたなあ」
屈強な土工たちにかこまれた、初老の運転手の顔が青ざめていた。
さっきまでの勢いが急速にしぼんでいった。
「気をつけなよ!」
早口で言うと、運転席に逃げ帰っていった。
菅谷がそれを見て、ぺっと道路に唾を吐いた。
私たちは車に引き上げた。私がふたたび
運転席にすわると、車内には恐ろしいほどの沈黙が支配していた。
「すいませんでした」
だれもが無言だった。みんなが怒っていた。
心が氷のように冷えた。もうなにも感じなかった。
事故は許されない。もう一度やって
彼らに袋叩きにあったところで文句は言えない。
私はただ前を向いて、ハンドルを握りつづける
機械でいようと考えた。ところが、30分ほど走ったところで、
またもアクシデントが起きてしまった。
飯場生活9日目18:30-19:10 ~ To be continued
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最近、お会いする人には「いや~、いつも汗臭い話ですね~」
「男臭くて、どうしようもないですね~」「読むだけで男臭さが臭ってきます」
とお褒めの言葉? をいただいています。こんな季節ですから、
読者の皆様はぜひクーラーをしっかりつけて、本作品をお楽しみください。
あと一ヶ月くらい、連載は続きます!
投稿者 Napori Takao : 07:00