2007年06月20日
忍び寄る影
真夜中。
窓のそとになにか気配を感じて、私は眼を開けた。
半身を起こし、暗い室内から窓に眼をこらした。
逆光の月に照らされた坊主頭が、
網戸のむこうで銀色にぬらぬら光っているのが見えた。
男はじっと立ち、私を見ていた。
背筋がぞっとした。陰になっているので表情はわからない。
が、おそらくあの暗いくぼみの奥に、こちらをうかがう眼がある。
私は動くことができず、だまって見つめあった。
昼間、間抜け面をして物乞いをしている坊主だ。
あいつは私を襲いにくるつもりなのか。
鍵をかけていないこの部屋に入ってこようというのか。
平松も麻井も熟睡している。
どうするつもりなんだ……
坊主男から目をそらさずに考えた。
私は入ってきたときの応戦に頭をめぐらせた。
なにか武器になるものはないか。
アパートの鍵、アルミの灰皿……
たいしたものはない。
平松たちに助けを求めたほうがいいのだろうか。
まもなく、闇のなかで口もとが歪むのが見え、
白い歯がむきだしになった。
彼は音もなく立ち去った。
もしひとりだったら、男は入ってきたのだろうか。
真夜中の虫の声を聞きながら、ふたたび眠りについた。
飯場生活7日目02:30-05:00 ~ To be continued
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