2007年06月13日
生意気な測量士
翌日は、サイボーグ老人の三木と工事使用後に散乱した、
鉄棒やベニヤ板をかたづけた。「かたづけ」と聞いたときは
「ようやくラクな仕事がまわってきた」と内心ほくそ笑んだが、
重い鉄板を運ぶのは危険で、気を抜いてできる作業ではなかった。
三木は「ホイ」や「ホウ」と小声で言葉を発し、
次にかたづける鉄板を指さして、私に作業の指示を出す。
タヌキは作業の終わりをしっかりチェックしていて、
終了とともに私だけに声をかけた。
「お前は測量の手伝いをしろ! あっち行け! 早く!」
イヤな仕事がまわってきた。
前からヤツらの評判は聞いていたのだ。
タヌキの部下である、2人の測量士が待つ、赤土の窪みへまわった。
彼らは私より年下に見えた。
「おいお前、これ持ってそこ立てよ」
「はい」
そこ、と言われてどこなのかわからず、
適当に指差したあたりに突っ立った。
「いやちがう、その窪みのとこ。そこじゃねえだろ!」
これだの、そこだの、指示の出しかたひとつをみても
お世辞にも頭がいいように見えないが、タヌキから
奴隷をあつかう心得だけはしっかり伝授されているらしい。
彼らは私に棒を持たせ、顎でこきつかうと、突然言った。
「ちょっとそこで待ってろ!」
見ていると、古島建設の小屋に入り、冷えた麦茶を
うまそうに飲んでいる。子会社の寺本建設の土工は、
その小屋に入ることさえ許されなかった。
私はジリジリ照りつける太陽の下で待たされた。
彼らがもどり、作業が再開してから、私は彼らに
なにか言われても、いちいち返事をしなくなった。
飯場生活6日目08:00-12:00 ~ To be continued
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投稿者 Napori Takao : 09:57