2007年05月31日
油断と恐怖
重い蓋を移動させる作業は統制がとれていなかった。
開始の合図もなく、だれがどう作業にあたるのかの
指示もないまま、クレーンに吊るされた蓋が移動してきた。
集められた土工は数が多すぎて棒立ちの者も多かったが、
それでも何人かは参加して蓋に手をそえた。
私も蓋を下から支えるように持った。
吊ってあるワイヤーが微妙にゆれて、なかなか位置が決まらない。
なにやってるんだ。
クレーンを見あげると、運転席の男が顔をゆがめていた。
クレーンの背後には、ぎらぎらした太陽。
頭がぼうっとした。
今日もなんて暑いんだろう。
「危ない!!」
横にいた男に、私は突然、烈火のごとく怒鳴られた。
ぎょっとして、思わず手を引っこめた。
瞬間、蓋は私の手があった場所に降りてくる。
ゴリゴリッ……モルタルのこすれあう音が重く響いた。
背中をスッと冷たい汗が落ちていった。
「危ないだろ! そんな持ちかたしてたら!」
その場の土工たちまでが凍りついた。
全員が眼を見開き、萎縮したように男と私を見る。
「手がつぶれるとこだったぞ、お前!!」
私はクレーンを下げる合図を見落としたのだ。
さらに、ほかの人間は蓋がおりても危険のないように
順手で持っていたのに、私は逆手で手を蓋の下に入れていたのだ。
「すいません!」
私はとっさに男に頭を下げた。
飯場生活3日目13:10-13:30 ~ To be continued
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
人気blogランキングへ
↑ ↑ ブログランキングに参加しています。クリックで応援いただけるとありがたいです。
コメント
Great work guys. Good work, All the best!
投稿者 Owen : 2007年06月17日 05:47
Thank you very much!!
投稿者 ナポリタカオ : 2007年06月18日 11:52