2007年04月02日
歓迎されざる若者
が、電話のむこうから聞こえてきたのは明るく、高い声だった。
「はい、寺本建設!」
「新聞の募集を見たんですけど」
「ああ、そう」
相手は慣れた様子で、すぐに簡潔な説明をはじめた。
「えーとね、土工の日給は6,000円。でもね、
住込みってことになるから毎日、1,500円引かれることになるよ。
だから手どりは4,500円だね。それでいいかい?」
「はい」
安いとは思うが、今は稼ぐ金額は問題ではない。
「あ、自分いくつ?」
東京の人はなぜ相手のことを「自分」と言うのだろう、とふと思う。
「19です」
「19かあ」
相手はあからさまに落胆していた。
この年齢ではなかなか勤まらないのだろうか。
たしかに金額だけで選ぶなら、ラクなバイトはいくらでもある。
男は期待しない口ぶりで言った。
「まあ働く気があるんなら、事務所へきてくれる?」
「はい」
腰抜けと思われたくなかった。相手はまだ確信がもてないようだ。
「今日、きてくれるのかな?」
「はい、いきます」
「じゃあN駅で降りたら電話くれる?」
「わかりました」
そのまま私はN駅に向かい、駅で降りると、指示されたとおりに電話をかけ、
指定されたマンションにむかった。
ところが、その部屋のドアのまえに立ったとき、
私はひるみ、ブザーを押すのを躊躇してしまった。
筆文字の寺本建設の文字。金の家紋がついた、木製の大きな看板。
やはり、そっちの業界筋か。ここはだいじょうぶなのだろうか……
飯場生活1日目 13:00-15:00 ~ To be continued
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コメント
今後の展開が楽しみです。(^。^)
投稿者 MAIA : 2007年04月02日 13:19
MAIAさんへ
コメントありがとうございます。
おそろしい思いもしましたが、
とりあえず五体満足で帰ってこれてよかった、と、今はしみじみ感じています。
3ヶ月くらいの連載になると思いますが、
よろしくお願いしま~す。
投稿者 ナポリタカオ : 2007年04月03日 08:27