2007年03月30日

第1章 人間要塞 ~19歳の岐路

私が高校2年の1980年、父が他界した。事業家だったが、
42歳で癌を告知されると事業は休止に追いこまれた。
そんな父は告知の少し前から、私を公務員にさせたがるようになった。

今では考えられないが、子どもが親のいいなりに
仕事を決めることも少なくない時代に、日に日に衰えていく父を見ていると
嫌だとも言えず、私は当惑しながらも進路については口を濁していた。
しかし、皮肉にも父の死によって、私は父の夢から解放された。

大学受験に失敗した私は迷うことなく二部学生を選んだ。
浪人は時間の無駄に思えてしかたなかったからだ。
大学では音楽サークルに入り、高校時代に演奏していたサックスを吹き、
昼間の学生とバンドを組んだ。

しかし、みんな遊びに疲れた会社員のようだった。
どろんとした眼をして登校し、決められた時間割をすごし、単位を取得し、
コンパやら麻雀やら恋人との時間に明け暮れている。
それが、いざ就職が迫ると目の色を変えて、社会に摺りよりはじめる。

この前まで長髪にパーマをかけ、荒れ狂ったドラムを叩いていた四年生が、
ある日突然、青々とした短髪で部室にあらわれたのを見て、
私はただひとり、わけもなく憤慨した。

やがて、大学にいる自分がちがうのだと理解した。

1982年。アルバイトのあいまに映画ばかり観てすごすうち、
脚本家に興味を抱き、シナリオ教室に通いはじめた。
退路を断つために、大学をやめた。
しかし、いくつ作品を書いても、評価はうけなかった。

今から振り返れば、19歳の若者の勇み足でしかないが、
自分の好きな道で勝負しているはずなのに、
まったく評価の兆しも見えず、自信はどんどんしぼんでいった。
あてもなく夢を追い続けることが恐ろしくなってきた。

                      To be continued
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重い文体、まわりくどい背景説明! どうか最初だけ許してください。
なぜアクションを起こしたのか、それだけは説明しておかないと……
わかってもらえるかなあ、この世界。


投稿者 Napori Takao : 10:30 | コメント (2)

コメント

いや、この話すごいそそられる。
一日何話も発表してほしい!!
僕もバイトを多くやってきましたけど土工はないす。
それにナポリさんの若き1ページを見れるのは
面白いですね〜。
期待大です!!!

投稿者 ソダ : 2007年04月01日 05:03

ソダさんへ

コメントありがとうございます。
登場人物も多いので、
混乱なく読んでいただければ幸いです。
暑苦しい話ですよ~

投稿者 ナポリタカオ : 2007年04月02日 10:01