2007年03月03日
N氏、危機一髪!(3)
診察室で靴下を脱いで足の指を見せると、
先生はとたんに顔をしかめた。
「あ~早く来てもらって、よかったですよ。
これ、あと1日遅かったら、救急車で運ばれてたかもしれませんよ」
「えっ ?!」
「この状態だとすぐに動けなくなりますから」
「!」
「そうなると、入院して点滴です」
「!」
「いや、こういう人、けっこういるんですよ。
会社員の人だったら、会社いけなくなっちゃいますしね」
じゃ先生、一刻も早く、薬? なのか注射?
なのかわからないけど、処置してください!
なのに、先生はそのまま話しかける。
「これは水虫が悪化して、
傷口からばい菌が入ったんでしょうね」
「水虫?! ですか……」
「たぶん、そうだと思います。くわしくは菌が死滅してから
組織を採って調べてみないとわかりませんが、おそらくは」
「そんな……」
こんな、ただのしもやけみたいなものが、水虫だなんて。
でも今は一刻も早く、なにか処置を! 先生!
「とりあえず、この状態はなにもつけないほうがいいようです。
抗生物質を出しますので、4日ほど飲んでください」
「……はい」
えっ、たいへんな事態のわりにはそれだけ?!
抗生物質ってすごいなあ、というか、こわいなあ。
人を殺しかねないヤツを殺しちゃうんだから……
「水虫をこじらせて入院なんて、笑い話にもなりませんもんねぇ~」
「はい……」
「それにしても、つらかったでしょう?」
「はい(涙)……」
つらくなったのは、ついさっきなのに、
こう言われると、ついホロリときてしまう。
なにかの犯人なら、取調室ではもっとも弱いタイプだろう。
To be continued
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投稿者 Napori Takao : 10:50