2007年02月15日

まぎらわしい(2)

1列しかつくれないような、地方の小さな駅のホームもある。
その場合、ならぶ者同士が、
「あ、こっちですか?」
「あ、いいえ、こっちです」
「はい、わかりました」
みたいなやりとりを、悶絶しそうな顔でしなければならない。

ところが、人見知りするのが大多数の東京男は、
こんなとき、ほとんどがこのような会話をせず、
雰囲気で察しようとするが、
これは、うしろにならんだ男たちを混乱させる。

小があいたのに、最初の男も2番目の男も動かない。
すると、3番目の男は、腹をすかせた犬が柵のむこうから、
こちらの餌をせわしなくのぞきこむようにして、
どうなってるんだ? と必死に背を伸ばし、最初の男を見る。

すると、彼らも知らん顔はできないようで、
目線で最初の男が「ボクは大です。どうぞいってください……」
2番目の男も目線で「オレはもうダメだ……オレにかまわず、あんたは小に……」

3番目の男は、そんなムダな意思表示を確認してから、小に突進する。

さて、ひっぱったあげく、N氏はどうだったのか。
大小いっぱいのトイレ。前にならんでいたひとりの男。
小があいた!

ところが、男はうつむき、情け無用に知らん顔をしている。
「ど、ど、どうなんだよ!」
N氏、前のめりになって言いかけたとき、
かろうじて男が小便器を指さし、言った。
「ど、どうぞ……」

なんだ、やっぱり大だったのか!
まぎらわしい!
そう思って男の顔を見ると、脂汗がいくつもタラリ……
青白く、死相さえ浮かんでいるではないか。

おそらく、せっぱつまって、
そう、文字どおり大腸の中でも、せっぱつまって、
他人に気を使うどころではなかったのだろう。

もうちょっと早めにすませておけばよかったね。
さすがに同情したN氏であった。

                                  The End
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投稿者 Napori Takao : 10:00 | コメント (4)

コメント

そんな観察をしてるところがやはりナポリさんっぽいとも思います。
ムカついても手出しをしないようにね。

投稿者 fuk : 2007年02月15日 11:10

fukさんへ

コメントありがとうございます。
こういうネタ、好きな人は好きかな~と思って書きました。
ほんとムダ話ですけど。

投稿者 ナポリタカオ : 2007年02月15日 11:18

すごーいw(笑っちゃいけませんね..(っ_ _)っSorry!
男子トイレでは苦痛?を伴った他人同士の会話があるんですね。お疲れさまです。

私はバス停で『微妙な位置』を体験したことがありますw

投稿者 ユエ : 2007年02月17日 15:03

ユエさんへ

コメントありがとうございます。
バス停で『微妙な位置』! ありますね!
同じ場所でも目的地(コース)によってちがう列をつくるときでしょ?
違う行き先のバスが来ても、
いつまでも立ってる人、いますよね~
あの感じですね。

投稿者 ナポリタカオ : 2007年02月17日 15:39

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