2007年01月06日
コーヒー試飲の攻防(3)
この話は前作(2)から続いています。
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従業員は今度こそ、N氏のそばへ寄ってきた。
やった! こっち見てる! 来るぞ来るぞ!
が、いきなりN氏を通り越し、入ってきたばかりのとなりの客に話しかけた。
「いかがでしょうか……」
となりの客がおいしそうにコーヒーをすする音がする。
N氏は思った。客を選んでいるのか? オレはソイラテを頼んだ。
だから、コーヒーを飲まない客と判断されて、試飲の対象からはずされたのか。
なんだよそんなの。
その推理のように、従業員はその後、
N氏だけを無視するように、周囲の客にコーヒーを勧めた。
ふてくされて、血走った目を新聞に走らせるN氏。
ひがみで心の中は荒れ果ててしまった。
そのときだった。
「失礼いたします……」
肩口から、おもむろにおごそかな声が響いた。
もしかして……いや、絶対にそうだ。
振り向くと、試飲の紙コップをもった従業員が立っていた。
目頭が熱くなる。
「ただ今、コーヒー豆の試飲ができますが……」
そんなことはとっくに知っている。
「3年寝かせた豆でして……」「ふつうではない豆でして……」
そんなことも百万回聞いている。
うれしいのに、ちょっとスネてみたくなった。
「あ、そーなんですか。じゃあ、お願いします」
ノドがカラカラで、声が1オクターブも高くなっている。
「いかがですか?」
「おいすぃーですね」
へんな発音になってしまった。
従業員はほかの客をまわるために、あっという間に去ってしまった。
N氏は自分の顔が、喜びでゆるみっぱなしになっているのに気づいた。
笑いが止まらなかった。コーヒーが飲めた。
こんなことで幸せになれるオレはつくづく幸せモノだ、と思うのだった。
ちょうどそのころ、N氏のとなりにすわった20歳前後の女の子が、
自分を通り越して、ほかの客に試飲のコーヒーを運ぶ従業員が気になり出し、
そわそわと横目で周囲を見はじめた。
彼女のなかでも同じ葛藤がはじまっていた。
The End
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コメント
サロンでお教室開いてるキャリアな方をサロネーゼと呼ぶそうです。こちらは朝から生姜すったお茶でダイエットをもくろむショーガネーゼです。良かったですね〜。試飲できて。つか今シインと打ったら死因て出ました。とりあえずおめでとうございます。ソイラテは大好きです。
投稿者 ショーガネーゼ : 2007年01月16日 17:49
ショーガネーゼさんへ
初コメントありがとうございます。
へえ~サロネーゼっていうのもあるんですか。
ショーガネーゼさんもお茶に生姜をすって入れるなんて、優雅ですね~
味はどんなもんでしょうか。
ドトールのボクはだいたいソイラテか野菜ジュースです。
これからもよろしくお願いしま~す。
投稿者 ナポリタカオ : 2007年01月17日 11:53