2006年12月21日
UFO探知機(3)
この話は前作(2)から続いています。
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彼は言った。
「こっちから照らしているなら、光の筋が
雲に向かってちゃんと見えるはずだ。でも、見えないだろ?」
たしかにそうだ。雲を通して、裏側から光が見える感じなのだ。
光源はこちらの会話を聞いているかのように、
すぐに反応し、ふたたび5つになったり、3つになったりする。
しかし、規則的に同一線上だけを動いていた。
「でもなあ……UFOビデオみたいに不規則な
ジグザグ走行みたいなの、してくれないかなぁ」
N氏はたまらずに言った。
「あ~、はっきりしない動きだなあ」
そして、あることを思いついた。
「そうだ、メキシコ人になろう!」
矢追さんの持論では、宇宙人はメキシコ人のように明るく、
屈託のない人種が好きなのだという。
ちなみにメキシコ人は「ベンガ! ベンガ!」を連発して、UFOを呼ぶ。
「こっちへ来い!」とか「おいで、おいで」の意味である。
賢明な読者のみなさんも、目の前にUFOが現れたら
ぜひマネしていただくために、発音をお教えしよう。
トイレに行きたくてしょうがないときのニュアンスでかまわない。
「便が! 便が!」というイントネーションである。
食事中ならば、「(人工心臓の安全)弁が! 弁が!」も代用できる。
さて、肝心のオチだが、あいにくのところ、ない。
原宿駅前の通りで、ほかの通行人やピザ屋の配達人に
白い目で見られるのもおかまいなしに、彼ら(矢追さんも含む)が
「ベンガ! ベンガ!」を叫んでも、「UFO」は降りてこなかった。
やがて光はスイッチを切るように、プツリと消えた。
あれはUFOだったのか。
そしてユータンこと、UFO探知器は、UFOを探知したのだろうか。
このあと、ユータンは主人公を変えて、新たな騒動を巻き起こすのだ。
The End
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