2006年12月29日
恐怖のバス旅行(2)
この話は前作(1)から続いています。
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旅の目的地は東北地方。
地元のある寿司屋で、その惨劇は起きた。
ツネさんは寿司をつまみながら、
「おいしいね~」と心から満足していた。
すると、前歯になにかが引っ掛かった。
指で引っ張って確認してみると、「ほたての貝紐」である。
「あ~、年をとると、すきっ歯になって、
よくはさまるよ。やんなっちゃうね~ほんとうに」
彼女は貝紐を強引に指でつまんで、
前歯からひっぱりだし、また食べはじめた。
しばらくしたときである。
目の前で食べていた、あの入れ歯を忘れたトヨさんが、
真っ青になって、ツネさんの顔を指さして言った。
「あ、あんた! どうしたの!」
「えっ?!」
周囲の友人たちがツネさんを見ると、口の中が血だらけだ。
鮮血でネタの色さえ、わからない。
まるで老婆のドラキュラだ。
「あっ!」
自分の舌で確認してみると、ようやく事情が飲み込めた。
貝紐を引っ張ったとき、前歯がポキンと
根本から折れて、いや抜けてしまったのだ。
しかもその前歯をのみこんでしまった。
慌てて、舌で前歯の傷口を抑えて止血するツネさんだったが、
その妙な顔に、ほかの客は笑いをこらえるのが精一杯であった。
ちなみに、毎年、一行が旅の最後にかわす挨拶は、
「来年も、死なずに会いましょう」だそうである。
The End
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