2006年12月18日

午後のミスター(2)

この話は前作(1)から続いています。
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ふだんなら絶対に近づけない、長嶋茂雄さん。
それが、ほんの30センチくらいの距離まで接近したのだ。
それだけでドキドキしてしまった。

身長は180センチほどはあるだろうか。
70歳くらいなのに、足腰は並の成人男性よりどっしりしていて、
鍛え上げた上半身とのバランスも見事だ。
なによりも、独特の強いオーラを発散していて、
周囲の空気が澄んでいるように感じる。

ふつうに立っていたら、健康そのものにしか見えないのに、
実際には階段を上っていかれないほど、
足腰の自由がきかないのだろう。

長嶋さんは一心不乱になにかを唱えていた。
内容はわからないが、
真剣な表情はテレビで見る柔和さとはべつのものだった。

ポケットに突っ込まれた片手はまったく動かない。

通り過ぎてから、振り返った。
「がんばってください」みないなことを言いたくなった。
が、ここは静かな境内だ。
人気者の長嶋さんは参拝をするのにも、
神社にお願いしてお忍びできたのだろう。
こんなところで声をかけて、無粋なまねをすべきではない。

N氏は知らん顔をして、神社の高台から多摩川の河川敷を眺めた。
それでも長嶋さんに会った興奮を抑えきれず、もう一度振り返った。
こんな機会はないかもしれないのだから。

すると、長嶋さんの姿は消えていた。
車がエンジンをかける音さえしなかった気がする。
行っちゃった……
でも、これでよかったのだ。
長嶋さんの貴重な時間を邪魔しなくてすんだのだから。
N氏はしんみりとした喜びをかみしめた。

長嶋さん、早くよくなってくださいね。

                           The End
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投稿者 Napori Takao : 10:38 | コメント (2)

コメント

初めまして。係長3号です。
私は長嶋フリークです。お暇な時にでも、当サイトをご覧になってくださいね!

読売巨人軍:長嶋茂雄のコレクション
http://www17.ocn.ne.jp/~giants3/

投稿者 係長3号 : 2007年01月13日 22:54

係長3号 さんへ

コメントありがとうございます。
サイト、拝見しました。
サインの歴史まであるんですね~すごい!
マスコット・キャラクターがなつかしかったです。
たしか、子どもの頃にちょうど「バットに乗ったボール」の
時代になったような覚えがありますね~
そちらにもメッセージを残そうとしたんですが、
コメントなどの場所が見つからなかったので、こちらで失礼します。

投稿者 ナポリタカオ : 2007年01月15日 12:26