2006年12月16日
午後のミスター(1)
12月10日の午後2時頃だった。
N氏は冬晴れの暖かい日差しを背中に受けながら、
大田区内で自転車の旅を楽しんでいた。
途中、ある神社にさしかかり、
ひさしぶりに立ち寄ってみる気になった。
手水舎(ちょうずや・てみずや)で案内板に書かれた通りに、
両手、口を洗い、境内に向かおうとしたときである。
グリーンの軽自動車が拝殿近くまできていて、止まっている。
一般の参拝者用の駐車場は下にあるので、
神社の、あるいは工事関係者でもなければ、登れないはずだ。
奇妙に思って見ていると、
上下に黒のジャージ男が運転席から降りてきた。
すると、後部座席から背のたかい、年配の男が姿を見せた。
ひとりで降りるのはたいへんらしく、運転手に手を借りている。
明るい茶色のセーターに黒のスラックス。
スラックスには折り目正しくアイロンがかけられて、
上品な雰囲気があたりに漂っている。
オールバックの銀髪は綺麗にセットされていた。
N氏はジロジロ見るのも失礼だと思い、
拝殿にむかう階段を登り、参拝を済ませた。
階段をおりてくると、ちょうど運転手があがってきたが、
茶色のセーターの人物は階段の下にいた。
階段を登れないようだ。
片手をポケットにつっこんだまま、片手だけで参拝をしている。
ずいぶん失礼な参拝をするんだな、
と一瞬思ったが、よく見ると片手が不自由なようだった。
30センチくらいの横をすれちがいざま、顔を見た。
その瞬間、テレビで見た顔と、その人は完全に一致したのだ。
「長嶋さんだ!……長嶋茂雄さんだ!」
To be continued
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コメント
何だかあの方も球界一の人気者なのはわかりますが、もう本当に心から休養させてあげたくなります。
どうか彼にご利益がありますように。
まさかご自身の健康なんか忘れて野球に関する願を掛けてたんじゃないでしょうね。
関係ないですけど、私の友人は表参道あたりで黒いリムジンから降りるレイチャールズを診た事があるそうです。
投稿者 fuk : 2006年12月16日 11:31
fukさんへ
コメントありがとうございます。
「表参道でレイチャールズ」はシブイ! いいなあ!
絶対、観光じゃないですね。
ギャングのボスみたいだったでしょうね~
投稿者 ナポリタカオ : 2006年12月16日 11:45