2006年12月14日
ラーメン屋の噂話(2)
この話は前作(1)から続いています。
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親子が出て行くとすぐ、店主がぶっきらぼうに言った。
「あの親子、ヘンだよな~」
N氏はぎょっとした。
今出ていったばかりの客の悪口を、
他の客の前で平気で言いはじめるとは……
「いつもお父さんとあの女の子だけなんだよ。
奥さんいないのかねえ、ヘンだよな~」
「あ~そう」
酔っ払いは、たいして関心がなさそうだ。
すると、似た者夫婦の片割れが口を出す。
妻「いないってことないでしょ。毎日来るわけじゃなし。
1週間に1回くらいじゃないの」
店主「でもヘンだよな~」
ヘンだっていいじゃないか。
それを言っちゃ、悪いけどオレはもっとヘンだぞ!
ささやかに生きてる親子じゃないか。
彼らがなにを悪いことしたって言うんだ。
N氏の正義感がムクムクと頭を持ち上げた。
たぶんこの店のラーメンはうまくない。いや、絶対まずい!
うまくたって「まずい」と言ってやる。
今から親子を追いかけて、
「あそこのオヤジ、あんたらの噂話してるよ!」
って、告げ口しちゃおうか。
興奮してしまったので、話を戻そう。
店主はなおもブツブツと続けた。
「だいたいさぁ、ふたりとも少食で残しちゃうんだから、
ふたりで一人前頼めばいいんだよ、まったく……」
妻「そうだよ、まったく……」
夫婦はカウンターの向こうで残飯を片づけながら、ぼやきはじめた。
To be continued
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