2006年12月07日
怖い話おまけ・消えたピアノ
あれは大学時代、夏休みで日本に帰ってきたときだった。
コンサートのバックバンドで、ピアノを弾くことになり、
友人からフェンダーローズの電気ピアノを借りた。
それは取り外しできる脚が4本ついているので、移動では一度取り外し、
細かな部品といっしょにケースにしまわなければならない。
なくしてしまうと、海外から取り寄せになるので、いつも神経を使っていた。
演奏後、それらをきちんと数えてしまい、友人の家にもどって組み立てた。
が、おかしなことに脚が1本足りない。
「おかしいなあ……あんなに数えたのに」
もう1回調べてみたが、やはり足りない。
「ごめんね。私、部品をオーダーするよ」
オーダーして取り寄せた脚をもって、友人の家でもういちど組み立てた。
すると、今度はケースのなかにちゃんと本数がそろっている。
「ちゃんとあるよ!……」
「あんなに探したのに、どうしてなんだろう?」
1ヶ月後、その家に遊びに行った。
アップライトのピアノがあったので、
「ちょっと貸してくれる?」と蓋を開けて、練習させてもらった。
練習しながら、蓋になに気なく目をやった。
蓋は黒く光っていて、室内のモノが写り込んでいたが、
その右側に、30代半ばくらいの長い髪の女性の顔があった。
「なんだろう、この女の人……」
見ていると、だんだん恐ろしげな表情に変わり、最後には口裂け女になった。
「ヤバイよ。この部屋、なにかいるよ」
「えっ?!」
女性はあるスポーツ選手の等身大のポスターの足もとにいた。
「ほら、ここだよ」
霊感のない友人にもそれが見えたらしい。
「ほんとだ……」
「このポスター、処分したほうがいいよ」
ポスターははがされ、友人はすぐに引越した。
あのとき脚の1本は、見えなかったとき、どこに消えていたのだろう。
「足元」の霊はそれでなにかを伝えようとしたのだろうか……
To be continued
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