2006年11月07日

第4章 前世のビジョン ~不思議な老人

翌年、夏のことだ。
大学が早く終わったので、私は友達とリビアビーチに出かけた。
お世辞にもキレイとは言えない海だ。
寒流が流れているので、海水は心臓麻痺を起こしそうなほど冷たい。
当時は岩場の海岸で、沖にはサメもいるので、泳いでいる人はいなかった。
私はおかまいなしに岩場を泳ぎ、
金持ちのプライベートビーチにまわりこみ、木陰の芝生で昼寝をした。
ここならモノを盗まれる心配もない。ひそかな穴場だったのだ。

でも他人の敷地にはちがいない。不法侵入は罰金だ。
さすがに警戒心が働いた。寝てはいけないという自制心と、
眠りたい本能の狭間で、私は朦朧とした心地になった。

すると、横になっている足元のほうから、
なにかの存在が立ち上がってくるのがわかった。
よく見ると、それは仙人のような人物だった。
老人は顔が細長く、90歳くらいの東洋人だった。
頭の中央は禿げあがっていて、両側にわずかな白髪が残っている。
その白髪は50センチもありそうな、白く長い顎ヒゲとつながっていた。
木の杖をついている雰囲気は、水墨画に出てくる老人のようであった。

不思議なことに、仙人は寝ている自分と正対している。
つまり、向こうがやや斜めになった感じで、
向かい合っている状態になるのだ。

「なんなの、このおじいさん!」
杖で叩かれるのではないか、と思った。
ビーチに関係した人物かもしれない。
思わず、飛び上がって起きた。同時に、老人は消えた。

「いったい、なんだったんだろう……」
このときは、仙人がなんのために出てきたのか、
まったくわからなかったが、それが彼との最初の出会いとなった。

なにかを感じた私はあわてて友達を起こし、その場を立ち去った。

                      To be continued
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投稿者 Napori Takao : 11:29 | コメント (2)

コメント

こんばんは。
この水墨画にでてくるような老人は、
きっと仙人なんですね♪
これからステキなことが始まりそう^^

投稿者 ひまわり : 2006年11月07日 22:12

ひまわりさんへ

コメントありがとうございます。
あ、わかりますか?
どう考えても仙人は悪いことしませんよね~
ちょっと意地悪かもしれませんけど…

投稿者 ナポリタカオ : 2006年11月08日 11:42